おっちょこちょいな日常をおくる、うるるの雑記ブログ。

言葉と音楽シリーズ「イノック・アーデン」

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TOKYO FMホールで上演された、言葉と音楽のシリーズ「イノック・アーデン」に行ってきました。
幹二さんが四季を退団されての新たな第一歩。その門出をどうしても祝福したくて、第一報が流れた時からずっと楽しみにしていた舞台でした。

たった一台のピアノとただ一人の語りで綴られていく朗読音楽劇

“朗読劇”というものを鑑賞するのは初めてで(ついでにTOKYO FMホールへ足を運ぶのも初めて)朗読劇ってどうなんだろう…?少し退屈なのかなぁ…?なんて懸念を若干抱いてみたりもしたのですが、そんな不安はすっかり吹き飛ばされてしまいました。気付けば物語の世界にぐんぐん引き込まれて、ただただ感動。本当に素晴らしかったです。

舞台上には朗読する俳優の幹二さんと、ピアニストの石野真穂さんの2人きり。バックのスクリーンには一枚の入り江の風景が映し出されていて、照明は柔らかく優しく、全体的に荘厳な雰囲気を醸し出していました。
幹二さんは前髪を上げて、黒のフォーマルないでたち。 貴公子の称号がふさわしい佇まい。やっぱり端正で素敵だなぁ~(うっとり。)

幹二さんおかえりなさい!

冒頭の第一声を聞いた瞬間、なんだか「幹二さんおかえりなさい!神様この空間に私を居させてくれてありがとうございます!」って、ひたひたと幸せな気持ちでいっぱいになっちゃって、お話の序盤なのに急に泣きたくなって困っちゃいました。私は普段、そう簡単に泣かない人なんですけど、去年の心配が安心に変わってどっと噴き出した感じかな?けど考えてみたら、四季時代は、いつも「お久しぶり~!」だったし、ブランク的には今回と変わりないじゃん!な状況をやらかしてたのにね。以前は「会いたくなったらいつでもチケット取れるしなぁ」って慢心しすぎていましたね~。今後は一生懸命、幹二さんのスピードに追いていかれないようについていかなくっちゃ、なんて思います。

アルフレッド・テニスンの物語詩「イノック・アーデン」。
この物語、偶然にもお仕事関係でちょっと齧る機会があって、話の内容は大体知っていました。海辺の町に育った3人の幼馴染み、イノック、アニー、フィリップ。ともに仲良く成長するのですが、いつしかイノックとフィリップはアニーに淡い恋心を抱きます。結局、イノックがアニーを妻とし、一方フィリップは二人の結婚を黙って見守ることになります。ある日、漁師の働き頭だったイノックは足に大怪我を負い、職を失います。彼は高い報酬が約束された遠洋に漁に出る決意を固め愛する妻や3人の子供たちを残して出航しますが、その船が難破してイノックは行方不明になります。フィリップは何年も彼の帰りを待つアニーと子供たちのために献身し、やがてアニーにプロポーズします。そして…。という内容。

確かにせつなく悲しい物語ではあるけれど、鑑賞後は不思議とドンヨリと重い気持ちを引きずるような気分にはならなかったです。言い方は変だけど、むしろ後味スッキリ!みたいな(笑)
登場人物3人とも愛する人を心から想って、愛する人の幸せを一番にと考え、清く生きることで、「自分はなんて不幸なんだろう」みたいに後ろ向きに相手を恨んだり自分を呪うような”黒い気持ち”を持たなかったからかもしれません。自分の欲望を一方的に相手にぶつけることだけが愛ではないのだと考えさせられました。

2日とも席はどっちも後方で良席とは言い難かったんですが、それでも収容人数300人ほどの小ぢんまりとした空間だったので全然OK!私にとってはドキドキするほど近く感じました。なんか演者とお客さんがお互いに息遣いを感じられる程よい距離感だったのが良かったなぁ。のっけからものすごい大作で大きな劇場からのスタートだったら、遠い存在に感じて寂しく思ったかも。
幹二さん、上演中はずっと椅子に座りっぱなしなのかと思いきや、立ち上がったり、ひざまずいたり、本から目を離して登場人物を演じる一人芝居風な部分もあり。フィリップがアニーに求婚するシークエンスでは本から目を離して、視線をまっすぐこちらの方向に向けて演じられてたので、ついつい自分がアニーになったつもりでうっとりと聞いてしまいました~。うっかり立ち上がって「ハイ、よろこんで!」って言いそうになっちゃったよ~(コラコラッ!)

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それにしても幹二さんの声は本当に深みがあっていい声だなぁ。一音一音、言葉の響きを大切に丁寧に発せられていたのが印象的でした。この劇でも使用された原田宗典さんの日本語訳が美しくて、言葉のリズムが耳に心地よかったので、パンフと一緒に単行本もお買い上げ。私も声に出して読んでみたいと思います(幹二さんのようにはいきませんが…)そして石野さんのピアノ(リヒャルト・シュトラウス)も素晴らしかった!ドラマティックで心に響きました。ピアノひとつで情景があんなに劇的に伝わってくるなんて。まるごとぜんぶCDにしてくれたらいいのにな~なんて思ったりしました。

上演時間は90分。できれば最後はお辞儀だけじゃなくて、一言二言でもご挨拶があると嬉しかったんだけど、でも幹二さんの元気なお姿と美声、そしてあのチャーミングな笑顔を見たらもう大満足です。この「言葉と音楽」シリーズは第二弾、第三弾と続くそうで、気が早いけど演出を手がけられた白井晃さんとの次のタッグが楽しみになりました!

イノックアーデン言葉と音楽シリーズ Vol.1「イノック・アーデン」

演出:白井晃
出演:石丸幹二  ピアノ演奏:石野真穂
作:アルフレッド・テニスン  作曲:リヒャルト・シュトラウス
訳:原田宗典  照明:小川幾雄  美術:松井るみ  音響:松山典弘
舞台監督:藤本典江  宣伝美術:永瀬祐一
制作助手:福留由記 製作:福島成人 企画製作:TSP

東京
公演日程:2009年1月9日(金)~1月12日(月・祝)
会場:TOKYO FMホール

名古屋
公演日程:2009年1月15日(木)19:00
会場:名古屋市芸術創造センター

大阪
公演日程:2009年1月17日(土)~1月18日(日)
会場:松下IMPホール

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うるる

映画とミュージカルが大好きな、うるるのブログです。ご贔屓の俳優さんは、上質を知るミュージカル界の貴公子こと石丸幹二さん。私もコーヒーが大好きなのですが、1年に3回くらい派手にぶちまけて周囲から哀しい目をされます。自他ともに認めるおっちょこです。アイコンはふわふわ。りさんのイラストです。

マルmemo.