おっちょこちょいな日常をおくる、うるるの雑記ブログ。

『ガス人間第1号』

シアタークリエで大王こと後藤ひろひとさん脚色・演出の「ガス人間第1号」を観てきました。

知る人ぞ知る、1960年に東宝特撮映画として公開された同名映画の舞台化です。
立て続けに起こった不可解な連続殺人事件を追う刑事の岡本(伊原剛志)。事件の被害者がすべて、10年前に解散したバンド、JOWKIの関係者であることがわかり、そのボーカルだったフジチヨこと藤田千代(中村中)が容疑者として捜査線上にあがる。だが、すべての犯行は、彼女を愛し歌手としての復帰を心から願う、ガス人間・橋本(高橋一生)の仕業だった…というお話。

うるは高橋一生くんが大好きなのと、おヒゲがくるりんぱな人(←後藤さん)にもちょびっと興味があったのと、ゆるーい特撮ヲタなのもあって、ものすごく軽~~い気持ちでチケットを取ったんです。「なぜ今これを舞台に?」という少々の疑念もあり、ぶっちゃけ、さほどの期待はしてなかったんですけど…

何かスゴイもん観ちゃったかもっ!?

いやぁ、大満足・大収穫の舞台でした~。1幕は笑いを織り交ぜながら状況説明~って感じで、わりと単調な印象だったんだけど、2幕めがすごかった。面白さが急加速して一度もテンションが落っこちない!ガス人間くんと歌姫のせつない愛に心を揺さぶられ、ぐいぐい吸引されて。「ああ…素晴らしい舞台じゃった」って大感動しまくりの大団円。ここで終わっても100%満足してたと思うんだけど、ラストのラストで「どっしぇーっ!」ってひっくり返るようなオチがついて、背筋をゾクゾク凍らされて終わりー。ぬおぉ~やるなぁ、おヒゲがくるりんぱな人!(笑)

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「オペラ座の怪人」しかり「シザーハンズ」しかり、異形の者と美女の純愛ラブストーリーって、何故か心惹かれてしまいます。この作品も、そのセオリー通りにどっぷり純愛。そして悲恋。「ガス人間」なのに「純愛」、「ガス人間」なのに「クリエ」(←後藤さんの前説に爆笑でした。)どう考えてもミスマッチなこの世界観だけど、脚本がうまいのか演者さんがすごいのか。
一番気になってた「CGも使えないのにどうやってやるんだろう?」なガス人間の描写、うまーく袖口と首元からドライアイスの煙が出るようになってて、ちゃんとガス人間が成立してたことに拍手。そしてガス人間の怒りMAX→煙が2人の刑事を襲う!のシーンも「もう1回スローで見た~い!」って思っちゃうくらいお見事でした。今時の特効?ってすごいんだねぇ~(感心感心)

一生くんは意外と出番少なめだったかな。特に前半は「あ、出た!」と思ったら、顔からも手からもガスが噴出して、これは一生くん本人でいいんだよね~みたいな状態で(笑)でも楽器店のシーンでは、素朴な青年モードで優しい笑顔にいやされました~(はぁと)。一生くんは声がやっぱりいいなぁ。決して張って喋ってるわけではないんだけど、スッと耳に飛び込んでくる系。そしてクライマックスの演技は圧巻でしたね~。藤千代の愛を受け止めて、ただまっすぐな橋本くんがいじましくて。本当、彼はどんどんいい役者さんになってるなぁ。
刑事を演じた伊原剛志さんはほぼ出ずっぱりで、「ちゃらんぽらんで飄々としてるんだけど、実は洞察力が深くてキレ者」な役どころがピッタリ。これはあて書きかなぁ?って思っちゃうくらい。
そして存在感たっぷりだったのが中村中さん!!正直、彼女のお芝居を見たことがなかったので、椅子からズリ落ちるような演技でさえなければ…くらいの低いハードルで臨んだんだけど(先入観ごめんなさい)どうしてどうして。あの神秘的なオーラと母性!彼女の存在なくしてこの舞台は成立しなかったと思いました。あの佇まい…誰に近いかなぁって思って、そうだそうだと浮かんだのが「銀河鉄道999」のメーテル!あのカリスマ性だったら、橋本くんの心情も納得。あの存在だけで説得力大アリでした。
あと、ガス調査員を演じた山里亮太さん!山内圭哉さんのブログでも絶賛されてたけど、とってもブラボー!キモキャラがすごーくツボでした。「ケトン上昇中!」って日常会話で使ってもいいですか~?(笑)南海キャンディーズはしずちゃんもすごい達者だし、2人とも役者いけますね、スバラシス。
1コ山ちゃんのセリフで「あなたたち、異臭、異臭って言いますけどやめてもらえませんか?異臭とは未知の物質の臭いをさして言うんです、僕にとってこの臭いはすべて知ってる臭いなんですっ」っていうのがあって(正確じゃないけど)、あれいろんな意味でドキンとして印象深かったなぁ。

歌姫・藤千代の復帰のために、彼女を苦しめる人間を次々と殺してゆく橋本くん。そこには彼女の歌をこのまま死なせてはならない、もう一度聴衆の前に立たせるんだという強い思いがあって。その気持ちを痛いほどに受け止め、そして警察の罠と知りつつステージに立つ藤千代。
コンサートシーンでの中村中さんが絶唱する「焼心者」、まさに命懸けで歌ってますって感じで、鳥肌たちまくりでした。いやぁ本当にすごかった!抱き合いながらZIPPOで火をつける瞬間、2人は何を想ったのかな…。でも、2人ともきっと幸せだったんだろうな。

はじめはちょっと企画っぽいなぁ…って笑い飛ばして、「まぁネタのひとつにでも」とか思っちゃったけど、とても胸打たれた作品でした。この東宝特撮モノ、シリーズ化してもいいんじゃないんですか?「美女と液体人間」とか「マタンゴ」とか。クリエ的に「えええ~っ」かもしれないけど(笑)

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うるる

映画とミュージカルが大好きな、うるるのブログです。ご贔屓の俳優さんは、上質を知るミュージカル界の貴公子こと石丸幹二さん。私もコーヒーが大好きなのですが、1年に3回くらい派手にぶちまけて周囲から哀しい目をされます。自他ともに認めるおっちょこです。アイコンはふわふわ。りさんのイラストです。

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